奈良時代の南都六宗に始まり、平安時代の最澄/天台宗、空海/真言宗、鎌倉時代の法然/浄土宗、栄西/臨済宗、親鸞/浄土真宗、道元/曹洞宗、日蓮/日蓮宗等々、日本の仏教は時代を超えて変化してきているが、今日では葬祭仏教となってきており(先祖を敬うこと自体は大切なことではある)、宗教に真に信心をしている人は少なくなってきている。 ここでは、思想としての仏教を学び、ビジネスに役立つ智慧という観点から考えてみる。 釈尊(ブッダ)が「初転法輪」(釈尊最初の説法)で比丘たちに説かれたのが、「十二因縁、四諦、八正道」であると言われ、仏教の基本的考えといえる。 この仏教の基本的教えである、根本理念の「十二因縁」(⇒思考の原理)、実践理論の「四諦」(⇒思考のプロセス)、基本原則の「八正道」(⇒行動の原点)には、それぞれ学ぶべき智恵が多くある。 今回は、思考のプロセスである「四諦」(苦集滅道)の“道(八正道)”について学ぶ。この行動の原点と言える「八正道」とは正見、正思、正語、正業、正命、正精進、正念、正定の八つの道である。 紙面の都合で八つすべてを記載できないので、いくつかを見てみよう。まず「正見」とは、正しくものの本質を見通すこと、正しく理解することであり、ビジネスにおける最初のステップの基本です。次に「正思」は、正しく考えること、正見の本質を貫徹すべく正しく判断すること。「正語」は、正しく話すこと。私心・私見を加えず客観的に事実のみを正しく伝えることである。また「正業」とは正しく行動すること。人間には「身口意(行動と言動と心)の三業」があるといわれ、仏の教えではそれらを正しくすることを教えています。五番目の「正命」は、正しく生きること。正しい生活を送ること。正しい仕事に就くことを教えています。説明するまでもありません。「正精進」とは、不断の向上心をもち、正しい目的に向って努力することといえます。ビジネス界に身を置く者にとってとても大切なことです。 以上、駆け足で仏に学ぶビジネスの智慧を見てきましたが、最後にビジネスに役立つ仏教用語(用語のみ)をいくつか紹介して筆をおきます。 “自利利他” (これについては先回少し触れました)、“少欲知足”、“和顔愛語”等々。これらの詳細はまたの機会に・・・ 『南無大師遍照金剛』、『南無大師遍照金剛』、『南無大師遍照金剛』・・・・ (格物致知)